妊娠後期の運動:36週以降に整えたいお産準備のポイント

妊娠後期(とくに36週目以降)は、いよいよ出産が近づき、体の変化も大きくなる時期です。
「おなかが重くて動きにくい…」「お産をスムーズにする姿勢ってあるの?」といった疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

今回は、お産に向けた姿勢やお腹の支え方、分娩出力(陣痛+腹圧)のイメージ作り、そして骨盤の動きを中心に、妊娠後期におすすめの運動や注意点を解説します。ぜひこの時期に体を整えて、出産当日に向けた準備を進めてみましょう!

 

【重要】

この記事の内容は一般的な情報です。妊娠中は個人差が大きいので、体調が優れないときや不安がある場合は、必ず担当医や助産師に相談してください。

36週目以降に意識したいお産の姿勢

・お産の姿勢とは?

分娩時に赤ちゃんを産み出しやすい姿勢を指します。

妊娠後期には、普段からこの姿勢をイメージしながら体を慣らすと◎。

 

・代表的な姿勢

 1,オープンレッグ姿勢(足を広げて浅く座る)

骨盤が開きやすく、赤ちゃんが下がりやすいとされる。

椅子に浅く腰かけ、膝を少し開く感じを普段の生活に取り入れると、骨盤周りをゆるめやすい。

 

 2,四つんばい(ハンズ&ニーズ)

腰や背中の負担を和らげる姿勢で、赤ちゃんの重みが背中に集中しない。

陣痛中のリラックスにも有効とされる。

・よくある間違い

「背中を丸めすぎて、お腹を圧迫してしまう」

できるだけ背筋は伸ばし、お腹を下に垂らすようなイメージを持つと楽に保てます。

お腹の支えかた

・大きなお腹を抱えるコツ

 骨盤周りや背中の筋肉に負担が集中しやすい時期。

ハンドタオルやベルトで下腹部を軽く支える「マタニティベルト」などを利用すると姿勢が安定しやすい。

 

・日常動作で気をつけたいこと

 1,起き上がりは横向きに

仰向けから直接上体を起こすと腹圧がかかりすぎる。

横向きになってからゆっくり起き上がるのが◎。

 

 2,立ち上がるときは膝を軽く曲げる

腰だけに力を入れず、お腹をサポートする感覚でゆっくり立ち上がる。

・つまずきやすいポイント

「無意識に腰を反らせてお腹を突き出してしまう」

お尻や太ももの力を使い、腰が反らないよう鏡などでチェックすると良い。

分娩出力(陣痛+腹圧)をイメージする

・分娩出力とは?

陣痛(子宮の収縮)+腹圧(お腹にグッと力を入れる)が合わさり、赤ちゃんを押し出すチカラになる。

妊娠後期には、軽い運動を通じて呼吸と腹圧をコントロールする練習がおすすめ。

 

・呼吸&腹圧の練習

1,椅子に座り、背筋を伸ばす

2,息を吐きながら、おへそを背中に引き寄せるイメージで下腹に力を入れる(腹圧)

3,息を吸いながらゆるめる

このとき、骨盤底筋にも意識を向けると、出産時に必要な筋肉の連動がスムーズになりやすい。

骨盤の動きを意識しよう

・妊娠後期の骨盤は柔軟性が大事

リラキシン(ホルモン)の影響で関節が緩みやすくなるので、痛みがなければ優しく動かすエクササイズが◎。

 

・骨盤を動かす簡単エクササイズ

 1,骨盤スイング(四つんばい)

手と膝を床につき、お腹を下に垂らすようにリラックス

息を吐きながら、腰を左右にゆっくりスイング(大きく振りすぎない)

5〜10回程度を目安に

 

2,骨盤前後チルト(椅子に座ったまま)

背筋を伸ばし、息を吐きながら骨盤を後ろに傾け(腰を丸める)、吸いながら前に起こす

腰痛予防や股関節まわりの血行促進にも有効

本編まとめ(ポイント整理)

・36週以降に意識したいお産の姿勢

オープンレッグや四つんばいで骨盤を開きやすく&腰の負担軽減

 

・お腹の支えかた

マタニティベルトで補助、立ち上がりは横向きから、日常で腹圧をコントロール

 

・分娩出力(陣痛+腹圧)をイメージ

呼吸に合わせて下腹に力を入れる練習で、出産に必要な連動を高める

 

・骨盤の動き

四つんばいや椅子上で骨盤を前後左右にゆっくり動かし、柔軟性アップ

ひとことアドバイス

・まずは安全第一!

お腹のハリや痛みを感じたらすぐに中止し、専門家に相談を。

 

・動画で実際の動きをチェック

自宅学習の強みを活かし、インストラクターの動きを見ながらゆっくりマネしてみましょう。

 

・毎日の小さなエクササイズが大きな効果に

骨盤スイングや簡単な腹圧練習などを、1日5分でも継続すると体が馴染みやすい。

 

※妊娠後期はおなかが一気に大きくなり、動作が制限されがち。でも、正しい姿勢や軽い運動を取り入れることで、腰痛やむくみを予防しながら、出産に必要なチカラもしっかり育めます。体調と相談しながら、無理なく取り組んでみてくださいね。

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