妊娠中のホルモン変化と上手に付き合おう
妊娠中は「ホルモンバランスが大きく変わる」とよく聞きますよね。
実際、骨をゆるめるホルモンで体が柔軟になったり、気分が上下しやすくなったり…。免疫力の低下も心配になりますし、陣痛ホルモンによる子宮収縮も出産の鍵となります。
本記事では、妊娠中に分泌されるホルモンと、それが体や気分にもたらす影響、そしてトレーニング初級者向けの対策をわかりやすく解説。体と心の変化を理解しておくだけで、マタニティライフがグッと安心できるはずです。
【注意】
妊娠中の体調や症状には個人差があります。あくまで一般的な情報としてとらえ、気になる症状があれば専門医や助産師に相談してください。
骨をゆるめるホルモンと体の柔軟性
- リラキシンとは?
- 妊娠中(特に後期)に分泌されるホルモンで、骨盤まわりの靭帯を柔らかくし、出産をスムーズにする働きがある。
- リラキシンの影響で、関節がゆるみやすく、思わぬケガをしやすいのも事実。
- 気をつけるポイント
- 関節ケア
- 軽いストレッチやウォーキングなどの運動はOKだが、深く曲げすぎたり、体をねじる動きは控えめに。
- 適切な靴選び
- 安定感のある靴で足首や膝への余計な負担を抑える。
- 重量物の扱い
- 急に重いものを持ち上げるのは避ける。腰や骨盤に大きな負担がかかる。
- 関節ケア
つまずきやすいポイント
- 「体が柔らかくなったから大丈夫」と過信し、過度なストレッチをして痛める
- リラキシンで柔軟性は増すものの、無理をするとケガに直結するので要注意。
気分のアップダウン対策(マタニティブルー)
・妊娠中のホルモン変動と気分
エストロゲン、プロゲステロンなどの増減により、情緒が不安定になりやすい。
“マタニティブルー”と呼ばれるほど、突然イライラしたり涙もろくなったりすることも。
・対策(初級者向け)
1,呼吸法や軽い運動
ゆっくり深呼吸したり、散歩をするだけでもリフレッシュ効果あり。
セロトニンが分泌され、ストレス軽減に。
2,1人で抱えない
家族や友人、SNSのコミュニティなどで不安や悩みを言葉にすると気分が落ち着く。
3,小さな目標や楽しみを作る
好きな音楽を聴く、簡単な家事をするなど、“達成感”を味わう機会を増やす。
よくある間違い
「気合いでなんとか乗り切ろう」と我慢しすぎる
妊娠中の気分の波は自然なこと。無理せず、相談できる環境を作りましょう。
免疫力の低下
・なぜ妊娠中は免疫が下がりやすい?
母体が赤ちゃんを異物とみなさないよう、免疫機能が変化しがち。
ホルモンバランスの影響で、体がウイルスや細菌に対して弱くなることも。
・免疫力を補う習慣
1,栄養バランス
タンパク質(肉・魚・大豆製品)やビタミン・ミネラル(野菜・果物)をしっかり摂る
ヨーグルトや発酵食品など、腸内環境を整える食事も◎
2,適度な運動
軽いウォーキングやヨガは血行促進やストレス軽減に役立ち、免疫力アップにつながる
3,休息と睡眠
寝不足や疲労の蓄積は免疫低下の大きな原因。
昼間に15分ほどの仮眠をとるだけでも回復効果あり。
つまずきやすいポイント
「必要以上に運動を控えてしまう」
まったく運動しないと血行が悪くなり、かえって免疫力が下がりがち。
体調を見ながら、無理のない範囲で体を動かそう。
陣痛ホルモンと子宮の収縮
・陣痛を引き起こすオキシトシン
“愛情ホルモン”とも呼ばれ、子宮の収縮を促して赤ちゃんを産み出す役割。
妊娠末期になると分泌が増え、陣痛が起こりやすくなる。
・陣痛+腹圧 = 出産の要
陣痛で子宮が収縮し、腹圧(お腹にグッと力を入れる)が加わることで赤ちゃんが下りやすくなる。
分娩当日に慌てないよう、妊娠後期には腹圧のかけ方をイメージする軽い練習も◎(主治医に相談)。
・お腹が張りやすいときは?
オキシトシンが早めに作用し、前駆陣痛のような症状がでる場合も。
無理に運動せず、横になって体を休め、深呼吸してリラックスを。
よくある間違い
「陣痛が来たら思いきりいきめばOK」
力の入れすぎで息が止まり、母体が酸欠になる危険も。
呼吸を整えながら、助産師さんの合図に合わせていきむのが基本。
まとめ(ポイント整理)
・骨をゆるめるホルモン(リラキシン)で関節が不安定になりやすい
ケガ防止に軽い運動&安定した靴やサポーターを活用
・気分のアップダウン(マタニティブルー)に要注意
呼吸法や軽い運動、相談できる環境づくりでストレスを和らげる
・免疫力の低下を補うには、栄養バランス・適度な運動・十分な睡眠
食事や生活リズムで体調管理を徹底
・陣痛ホルモン(オキシトシン)と子宮収縮の役割を理解
赤ちゃんを押し出す力は、陣痛+腹圧の連動がポイント
妊娠後期は腹圧をかけるイメージトレーニングも
ひとことアドバイス
・無理なく、安全第一で
体調が優れない日は休む、痛みやハリがあればすぐに中止。主治医や助産師と連携を
・動画でフォームや動きを確認
マタニティヨガや簡単エクササイズは、正しい姿勢を学ぶとより効果的
・小さな変化を記録してモチベーションに
「今日は気分が良かった」「足のむくみが軽くなった」など、毎日少しずつでも成果をメモすれば続けやすい
※妊娠中のホルモンは体や気持ちに大きく作用しますが、正しい知識と適度な運動でマタニティライフを快適に過ごせます。ぜひこの記事を参考にしつつ、専門家のアドバイスを取り入れながら、安全に楽しく過ごしてくださいね。