妊娠中のホルモン変化と体・気分への影響|関節・マタニティブルー・免疫・陣痛

‹ 自宅トレーニングのやり方・メニュー・レシピ

「妊娠中はホルモンバランスが大きく変わると聞くけれど、体にはどう影響するの?」。妊娠中は、骨盤まわりをゆるめるホルモンで体が柔らかくなったり、気分が上下しやすくなったり、免疫力が下がりやすくなったりします。陣痛ホルモンによる子宮の収縮も出産の鍵になります。こうした変化を知っておくと、マタニティライフを安心して過ごしやすくなります。

この記事では、妊娠中に分泌されるホルモンと、それが体や気分にもたらす影響、トレーニング初級者向けの対策を、オンラインパーソナルトレーニングFIBEのトレーナーがまとめています。

妊娠中の体調や症状には個人差があります。この記事はあくまで一般的な情報としてとらえ、運動などを始める前には必ずかかりつけの医師・助産師に確認してください。気になる症状がある場合も、専門医や助産師に相談してください。

妊娠中に分泌されるホルモンと主な影響

妊娠中は、関節・気分・免疫・子宮の収縮に関わるホルモンの変化が起こります。

ホルモン・変化 体や気分への主な影響
リラキシン 骨盤まわりの靭帯を柔らかくし、関節がゆるみやすくなる
エストロゲン・プロゲステロンの増減 情緒が不安定になりやすい(マタニティブルー)
ホルモンバランス・免疫機能の変化 ウイルスや細菌に対して体が弱くなることがある
オキシトシン(陣痛ホルモン) 子宮の収縮を促し、赤ちゃんを産み出す役割を担う

妊娠中のリラキシン(骨をゆるめるホルモン)と関節ケア

リラキシンの影響で関節がゆるみやすくなるため、妊娠中は深く曲げすぎる動きや、ねじる動きを控えめにすることが大切です。リラキシンは妊娠中(特に後期)に分泌されるホルモンで、骨盤まわりの靭帯を柔らかくし、出産をスムーズにする働きがあります。一方で関節がゆるみやすく、思わぬケガをしやすくなるのも事実です。

気をつけること 具体的な対策
関節ケア 軽いストレッチやウォーキングなどの運動はよいが、深く曲げすぎたり、体をねじったりする動きは控えめに
適切な靴選び 安定感のある靴で、足首や膝への余計な負担を抑える
重量物の扱い 急に重いものを持ち上げるのは避ける。腰や骨盤に大きな負担がかかる

リラキシンでつまずきやすいポイント

「体が柔らかくなったから大丈夫」と過信して、過度なストレッチで痛めてしまうことがあります。リラキシンで柔軟性は増しますが、無理をするとケガにつながるので注意してください。

妊娠中の気分のアップダウン(マタニティブルー)対策

妊娠中の気分の波は自然なことなので、呼吸法や軽い運動、相談できる環境づくりで和らげていくのがおすすめです。エストロゲン、プロゲステロンなどの増減によって情緒が不安定になりやすく、「マタニティブルー」と呼ばれるほど、突然イライラしたり涙もろくなったりすることもあります。

1. 呼吸法や軽い運動を取り入れる

ゆっくり深呼吸したり、散歩をしたりするだけでもリフレッシュ効果があります。セロトニンが分泌され、ストレスの軽減につながります。

2. 1人で抱えない

家族や友人、SNSのコミュニティなどで不安や悩みを言葉にすると、気分が落ち着きます。

3. 小さな目標や楽しみを作る

好きな音楽を聴く、簡単な家事をするなど、達成感を味わう機会を増やしてください。

マタニティブルーでよくある間違い

「気合いでなんとか乗り切ろう」と我慢しすぎてしまうことです。無理をせず、相談できる環境を作ってください。

妊娠中の免疫力の低下を補う習慣

妊娠中の免疫力の低下は、栄養バランス・適度な運動・休息と睡眠の3つで補っていきます。妊娠中は、母体が赤ちゃんを異物とみなさないよう免疫機能が変化しやすく、ホルモンバランスの影響で、体がウイルスや細菌に対して弱くなることもあります。

習慣 ポイント
栄養バランス タンパク質(肉・魚・大豆製品)やビタミン・ミネラル(野菜・果物)をしっかり摂る。ヨーグルトや発酵食品など、腸内環境を整える食事もよい
適度な運動 軽いウォーキングやヨガは血行促進やストレス軽減に役立ち、免疫力アップにつながる
休息と睡眠 寝不足や疲労の蓄積は免疫低下の大きな原因。昼間に15分ほどの仮眠をとるだけでも回復効果がある

免疫力対策でつまずきやすいポイント

必要以上に運動を控えてしまうことです。まったく運動しないと血行が悪くなり、かえって免疫力が下がりがちです。体調を見ながら、無理のない範囲で体を動かしてください。

妊娠中の陣痛ホルモン(オキシトシン)と子宮の収縮

出産では、オキシトシンによる陣痛(子宮の収縮)と腹圧の連動が、赤ちゃんを押し出す力になります。オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれ、子宮の収縮を促して赤ちゃんを産み出す役割を担います。妊娠末期になると分泌が増え、陣痛が起こりやすくなります。

陣痛+腹圧が出産の要

陣痛で子宮が収縮し、腹圧(お腹にグッと力を入れること)が加わることで、赤ちゃんが下りやすくなります。分娩当日に慌てないよう、妊娠後期には腹圧のかけ方をイメージする軽い練習もおすすめです(主治医に相談してから行ってください)。

お腹が張りやすいときは休む

オキシトシンが早めに作用し、前駆陣痛のような症状が出る場合もあります。無理に運動せず、横になって体を休め、深呼吸してリラックスしてください。

陣痛でよくある間違い

「陣痛が来たら思いきりいきめばよい」と考えてしまうことです。力を入れすぎて息が止まると、母体が酸欠になる危険もあります。呼吸を整えながら、助産師さんの合図に合わせていきむのが基本です。

妊娠中のホルモン変化への対策まとめ

テーマ ポイント
リラキシンで関節が不安定に ケガ防止に軽い運動と、安定した靴やサポーターを活用する
気分のアップダウン(マタニティブルー) 呼吸法や軽い運動、相談できる環境づくりでストレスを和らげる
免疫力の低下 栄養バランス・適度な運動・十分な睡眠で補い、食事や生活リズムで体調を管理する
オキシトシンと子宮収縮 赤ちゃんを押し出す力は陣痛+腹圧の連動がポイント。妊娠後期は腹圧をかけるイメージトレーニングも

妊娠中のホルモン変化と付き合うためのアドバイス

無理をせず、安全第一で

体調が優れない日は休み、痛みやハリがあればすぐに中止してください。主治医や助産師と連携しながら進めます。

動画でフォームや動きを確認する

マタニティヨガや簡単なエクササイズは、正しい姿勢を学ぶとより効果的です。

小さな変化を記録してモチベーションにする

「今日は気分が良かった」「足のむくみが軽くなった」など、毎日少しずつでも成果をメモしておくと続けやすくなります。

妊娠中のホルモンは体や気持ちに大きく作用しますが、正しい知識と適度な運動で、マタニティライフを快適に過ごしやすくなります。専門家のアドバイスを取り入れながら、安全に楽しく過ごしてください。

この記事の監修者

FIBEトレーニング監修チーム

所属トレーナー保有資格:理学療法士/JATI-ATI(トレーニング指導者)/健康運動実践指導者

指導実績:ジムでの累計5万回以上のパーソナルトレーニング指導実績。

関連する記事

▲